
【MS経験者向け】治験事務局担当者(SMA)への転職ガイド|製薬業界の新たなキャリア
医薬品卸の営業職(MS)として経験を積んできた方の中には、「この先のキャリアをどう描こう?」と考える瞬間があるのではないでしょうか。
新たなキャリアの選択肢として注目されているのが、治験事務局担当者(SMA)という職種です。治験に関わる医療機関の運営サポートを担うSMAは、MS経験者のスキルを活かしながら、新薬開発という医療の最前線に携わることができます。
本記事では、SMAの役割や仕事内容、MS経験者にとってのメリットや転職後のギャップなどを詳しくご紹介します。
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目次[非表示]
- 1.治験事務局担当者(SMA)とは?
- 2.MS経験者がSMAに転職する6つのメリット
- 2.1.医薬品の知識・コミュニケーション力を活かせる
- 2.2.身体的な負担が軽減される
- 2.3.チームで支え合う働き方
- 2.4.ライフスタイルに合った働き方
- 2.5.医療と社会への貢献
- 2.6.業界の安定性
- 3.SMA転職後に感じるギャップと対策
- 3.1.専門知識の習得が必要
- 3.2.事務作業の多さ
- 3.3.コミュニケーションの幅の広さ
- 3.4.スケジュールの自由度
- 4.他職種との比較:SMAの特徴とは?
- 5.SMAへの転職に成功するためのポイント
- 6.よくあるご質問
- 6.1.どのくらい外勤がありますか?
- 6.2.転勤はありますか?
- 6.3.MS出身のSMAはいますか?
- 6.4.どんな勤務地がありますか?
- 7.まとめ:MS経験はSMAで活きる
治験事務局担当者(SMA)とは?
SMA(治験事務局担当者)は、医療機関のパートナーとして治験の進行を支援します。具体的には、治験の導入提案や契約・手続きの管理、治験を円滑に進行するための体制整備など、事務局的な立場で多職種を支援する役割です。
MSは医薬品の流通や販売支援を通じて医療を支える職種ですが、SMAは新薬開発の支援という形で医療に貢献する役割を担っています。
シミックヘルスケア・インスティテュート(CHI)では、未経験からのチャレンジでも安心して始められるよう、研修制度やOJTを整備し、着実にスキルアップできる環境を提供しています。
MS経験者がSMAに転職する
6つのメリット
医薬品の知識・コミュニケーション力を活かせる
MSで培った交渉力やコミュニケーション能力、そして医薬品に関する豊富な知識は、SMAの仕事でも欠かせないスキルです。医師や治験チームと信頼関係を築きながら、新しい治験の提案や調整に活かせます。
さらに、幅広い医薬品や医療機器の情報を踏まえ、医療機関ごとの専門性やニーズ、地域特性を的確に把握し、最適な情報提供を行ってきた経験は、SMAとしての大きな強みとなります。
身体的な負担が軽減される
毎日の外勤や悪天候時の訪問、荷物の持ち運びなど、MSの仕事は体力的にハードな場面が少なくありません。SMAはデスクワーク中心で、外出の頻度も限られるため、身体的負担が軽減されます。
MSから転職した社員からは、「以前は手荒れや爪割れなどに悩んでいたが、今はその心配がなくなって嬉しい」「以前は、平日の疲れが取れず寝るだけか、土日もイベントで潰れることもあったが、今は子どもと遊ぶ時間が増えた」といった声も聞かれました。
チームで支え合う働き方
SMAは、CRC(治験コーディネーター)や医師、看護師、医事課担当者などとチームを組んで治験を進めます。個人営業が中心だったMSとは異なり、周囲と協力しながらプロジェクトを推進するスタイルです。
MSから転職した社員からは、「一人で抱え込まない働き方ができて安心」「チームで支え合える環境がありがたい」と感じる方も多いようです。
ライフスタイルに合った働き方
SMAは基本的に平日勤務で、土日祝はお休み。出張や転勤も少なく、ワークライフバランスを保ちやすい働き方が可能です。
また、時短勤務の社員も多く、チームで業務をフォローし合う文化があります。MSとして時短勤務をする女性社員は少なく、ライフイベント機に営業職を離れるケースも多いことを踏まえると、働きやすさの面でも大きな魅力といえます。
基本的にSMAは休日対応がないため、「週末に医療機関からの電話がかかってくる心配がなくなり、安心できる」とMSから転職した社員から聞かれています。
医療と社会への貢献
治験に携わることで、医療機関は最先端の新薬開発に直接参加でき、これまでの治療では対応が難しかった患者さんに新たな選択肢を提供することに繋がります。SMAは、市販後の医薬品ではなく開発段階の医薬品を扱うため、ドラッグロスの削減といった社会的課題の解決にも貢献できる重要な役割を担っています。
また、SMAになると大規模な病院を担当する機会が増え、よりスケールの大きな医療現場で仕事をしている実感を得やすくなります。MS時代に主にクリニックや診療所を担当していた方にとっては、この変化が新たなやりがいとなり、「より広いフィールドで医療に関わる喜び」を感じている方も多いです。
こうした現場で医療の未来に直接関わっている実感は、SMAならではの魅力の一つと言えるでしょう。
業界の安定性
近年、薬価改定や医薬品流通の再編が進む中で、医薬品卸業界では競争の激化や人員削減の動きも見られるようになりました。「今は大丈夫でも、10年後はどうなるのか…」という漠然とした不安を抱えるMSの方も少なくありません。
一方で、SMAは新薬開発という医療の根幹を支える仕事であり、社会的意義が高く、医療ニーズの多様化とともに今後の需要も見込まれています。製薬業界の中でも「医療現場を支えるインフラ的な存在」として、安定的にキャリアを築いていけるポジションといえます。
SMA転職後に感じるギャップと対策
専門知識の習得が必要
SMAは、治験に関わる中で幅広い疾患や試験に対応する必要があり、MS時代以上に「学ぶこと」が求められます。MSでは、製品ごとの勉強会が定期的に開催されるなど、知識を得られる環境が整っていることも多いですが、SMAでは疾患や試験ごとの内容が多岐にわたるため、自ら積極的に学び続ける姿勢が必要です。
シミックヘルスケア・インスティテュート(CHI)では、未経験者でも安心して成長できるよう、入社時の導入研修からOJT、継続的なフォローアップ研修まで段階的な学習体制が整っており、MS出身の社員もSMAとして活躍しています。
事務作業の多さ
SMAは、治験書類の整備や契約手続きなど、MSと比べて事務的な業務が多く発生します。MS時代の事務作業は比較的単調なルーティンが多かった一方で、SMAでは治験ごとに異なる書式や規定に対応する必要があり、より煩雑かつ高度な業務が求められる場面もあります。CHIでMSからSMAに転職した社員からは、「想像していた以上に外勤が少なかった」という声もあり、事務職に近い働き方と感じる方もいるようです。
一方で、「完全な内勤は合わない」と考えていた方にとっては、SMAは外勤・内勤両方あり、バランスの取れた働き方としてフィットするケースもあります。実際に、営業職からのキャリアチェンジとして、営業・事務スキルを活かしつつ医療現場と関われる点に魅力を感じている社員もいます。
コミュニケーションの幅の広さ
SMAの業務では、医師との連携に加え、院内の治験部署、医事課、事務スタッフ、CRC、製薬企業の治験依頼者など、さまざまな関係者と調整する場面が日常的に発生します。そのため、幅広い立場の人と柔軟にやりとりできるスキルが求められます。
入社当初はこの「関係者の多さ」や「同時並行での対応の多さ」に戸惑うこともありますが、MSでは訪問頻度が高く、雑談を通じて信頼関係を築く機会も多かったため、SMAでも自然に良好なコミュニケーションが取れる方が多いようです。
スケジュールの自由度
MSは訪問型の外勤が中心で、自分の裁量で動ける場面も多く、比較的スケジュールを組みやすい働き方かもしれません。
一方、SMAは、資料作成や治験の進行に関わる締め切り、医師やCRCとのアポイント調整、GCPで定められた手続きの期限など、細やかなスケジュール管理が重要になります。「思ったより自由がきかない」と感じることもあるかもしれませんが、それは治験の信頼性とスピードを支える、責任あるポジションだからこそ。
これらのギャップはデメリットと捉えがちですが、自分の適性や価値観によっては「むしろSMAのほうが合っていた」という声も。働き方ややりがいの観点で、前向きな転職になるケースも多くあります。
他職種との比較:SMAの特徴とは?
医療業界にとどまりつつ、現場に寄り添った立場で社会貢献できる点で、SMAは「MS経験を活かせる」転職先のひとつです。
職種 | 特徴 | 向いている人 |
MR・コントラクトMR |
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医療関連のIT営業 |
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他の業界の営業 |
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SMA(治験事務局担当者) |
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よくあるご質問
Q.
どのくらい外勤がありますか?
A.
担当する医療機関やエリアによって異なりますが、週に2~3回ほど医療機関を訪問することが多いです。自宅から直接医療機関へ向かい、訪問先からそのまま帰宅する「直行直帰」の場合もあります。
また、オフィスでの打ち合わせや事務作業がある日は、午前中にオフィスに出社し、午後から医療機関へ向かうというスケジュールもあります。
Q.
転勤はありますか?
A.
多くはありませんが、全国の拠点間で転勤することもあります。転勤する場合は、金銭面でのサポートなど支援体制が整っています。
Q.
MS出身のSMAはいますか?
A.
CHIには、男性・女性ともに、全国各地にMS出身のSMAがいます。「ワークライフバランスを保ちながら長く働ける環境」といったコメントが多数ありました。
Q.
どんな勤務地がありますか?
A.
全国に拠点があり、地域に根ざした働き方が可能です。CHIには全国主要都市にオフィス、サテライトを構えています。場所や各拠点の取り組み、社員インタビューや雰囲気は以下ページをご参考ください。
まとめ:MS経験はSMAで活きる
MSとして積み重ねてきた経験やスキルは、SMAという新しいフィールドでもしっかり活かせます。治験を通じて医療の未来に貢献しながら、働き方やライフスタイルの面でも無理なくキャリアを継続できるのがSMAの魅力です。
「自分らしい働き方を実現したい」「医療にもっと直接的に関わりたい」と考えるMSの方にとって、SMAは前向きなキャリアの選択肢のひとつです。
ぜひ一度、採用説明会や社員インタビューを通して、リアルなSMAの世界を覗いてみてください。
シミックヘルスケア・インスティテュート(CHI)とは?
シミックヘルスケア・インスティテュート(CHI)は、「くすりの一生から、ひとの一生まで」をコンセプトに医療関連施設を中心に総合的な支援を行っています。
医療機関側の治験に関わる業務を受託・代行し、治験実施体制の整備支援から実施・運営までトータルにサポートするSMO業務や、治療、予防および健康に着目し、メディカルコンタクトセンターや服薬アドヒアランスによる治療の支援をするサービス等、医療機関や患者、一般消費者の医療や健康維持・増進のための支援業務を展開しています。
既存の枠にとらわれず、新しい価値の創出を目指して、ともにチャレンジしていける方を求めています。
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