
【第2回】CRCの業務内容とスケジュール|患者さん・関係者とのやり取り
第1回では、CRC※の基本的な役割や位置づけを紹介しました。
今回は、CRCは実際にどんな仕事をしているのか、どのようなスケジュールで活動しているのかを、より具体的に見ていきます。
CRCは、医師・治験に参加する患者さん(治験参加者)・製薬企業などをつなぐ調整役。治験が安全かつ円滑に進むよう、多くの関係者と連携しながら支える存在です。
※CRC:治験コーディネーター。Clinical Research Coordinatorの略。
目次[非表示]
- 1.CRCの仕事
- 1.1.治験開始前の準備
- 1.2.医療機関での調整
- 1.3.候補患者さんの確認
- 1.4.治験参加中の患者さんへの対応
- 1.5.治験依頼者の対応
- 1.6.治験実施中~終了まで
- 2.CRCのスケジュール
- 3.CRCのやりがい
- 4.おわりに
CRCの仕事
CRCの業務は、治験開始前の準備から、治験実施中、そして終了後の対応まで多岐にわたります。
ここでは、治験の進行に沿って主な業務内容をご紹介します。

治験開始前の準備
製薬企業が開催する勉強会への参加、治験実施計画書(プロトコール)の確認など、対象疾患について必要な資料を確認し、担当試験への理解を深めます。
プロトコールは非常に詳細に記載されており、数百ページに及ぶこともあります。検査項目や来院スケジュールを細かく確認し、治験参加者の負担や現場でスムーズに実施できるかを想像しながら読み込むことも重要な仕事です。

医療機関での調整
治験で必要な業務について医療機関スタッフへ説明し、具体的な対応を相談します。検査部門や薬剤部門など、多くの部署と連携しながら準備を進めます。
また、使用する治験薬搬入の確認や資材の準備など、治験開始に向けた環境整備も行います。
「段取り力」が試される場面です。
候補患者さんの確認
治験を担当する医師の指示のもと、カルテなどから候補となる患者さんを探します。適格基準・除外基準を慎重に確認しながら、患者さんが安全に参加できるかどうかを慎重に見極めます。
また、患者さんに対し医師が行う治験説明ののち、CRCは文書を用いて、治験への理解を深めてもらえるように補助説明を行います。難しい専門用語を、分かりやすい言葉でお伝えすることもCRCの大切な役割です。そして、治験に参加の意思を表明された場合、治験担当医師による同意取得に立ち会い、治験に関する業務を開始します。

治験参加中の患者さんへの対応
治験参加者の診察に立ち会い、不安や疑問があれば対応します。来院や検査のスケジュール管理、体調や服薬状況の確認なども行います。
治験は数か月~数年にわたることもあります。治験参加者にとって身近な相談相手となり、安心して参加していただけるようサポートします。
※医療行為は行いません

治験依頼者の対応
製薬企業や開発業務受託機関(CRO:Contract Research Organization)のモニターが医療機関を訪問し、資料やデータの確認をする際、CRCはその調整や準備、立ち会いを行います。担当する医師の指示のもと、資料の提示や説明などを実施します。
記録の整合性や進捗状況の確認など、治験の品質を保つための重要なやり取りを行います。正確性とコミュニケーション力の両方が求められる場面です。

治験実施中~終了まで
報告書の作成やデータ入力など、治験を担当する医師のサポートを継続的に行います。治験終了時には、必要な書類の整理や最終報告なども担当します。
治験が無事に完了したときの達成感は、CRCにとって大きなやりがいの一つです。
CRCの日々の業務では、
- 多職種と連携する調整力
- 治験参加者に寄り添う姿勢
- 正確な記録・データ管理能力
が非常に重要です。
CRCのスケジュール
では、実際の1日はどのように進んでいるのでしょうか。ここでは、新卒3年目CRC・Aさんのスケジュール例をご紹介します。

- クリニックと病院を含む3施設、3プロジェクトを担当。
- 1週間のうち、外勤4日、内勤1日程度の割合。
CRCの1日
9:00 | オフィスに出社:
|
10:30 | 電車で移動 |
11:00 | Aクリニックを訪問:
|
12:00 | 昼休憩 |
13:00 | 治験に参加している患者さんが来院:
|
17:30 | 業務の報告をして、直帰 |

社員の声:
患者さんにとって「話しかけやすい存在」であることを心掛けています。来院時の何気ない会話から小さな変化を感じ取り、状況に応じて適切な対応ができるよう、常に柔軟でありたいと考えています。
仙台オフィス CRC:Y.Yさん
CRCの1週間
※テレワークやフレックス制度は、自立後、上長の許可を得て活用可能
月曜日 | Aクリニックに直行して業務開始: <X試験> 【同意説明のサポート】 【治験参加者対応】
業務報告後、直帰 |
火曜日 | Aクリニックに直行して業務開始: <Y試験> 【CRA対応】
【組入れ対応】
業務報告後、直帰 |
水曜日 | B病院に直行して業務開始: <Y試験> 【治験参加者対応】
業務報告後、直帰 |
木曜日 | B病院に直行して業務開始: <X試験> 【治験責任医師対応】
【治験参加者対応】
業務報告後、直帰 |
金曜日 | オフィスに出社:
【勉強会】 製薬企業担当者による新規プロジェクトのプロトコール勉強会に参加 |

社員の声:
メンバーが多い病院担当チームでは、役割分担しながら協力でき、相談しやすいのが魅力。合間の雑談も良いリフレッシュになります。一方、少人数のクリニックでは自分のペースで落ち着いて業務に向き合える点が魅力です。
東京オフィス CRC:Y.Oさん
CRCのやりがい
CRCの仕事は業務範囲が広く、やりがいの感じ方も人それぞれです。シミックヘルスケア・インスティテュート(CHI)でCRCとして働く社員へのインタビューでは、以下のような声が多く寄せられました。
CRCの業務は、病院内で多くの人と連携しながら進めるため、困難な場面も少なくありません。しかし、それらを乗り越えたときの達成感は非常に大きく、仕事のやりがいにつながっています。
おわりに
今回はCRCの業務と現場イメージを紹介しました。
最終回となる第3回は、「CRCに求められる資格・適性・キャリアパス」について詳しく解説します。
シリーズ記事一覧
- 第2回:CRCの業務内容・スケジュール
- 第3回:CRCになるには?資格・適性・キャリアパス
- 関連ページ
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