臨床検査技師からCRCへ。薬の力に心を動かされて
臨床検査技師を経て、念願のCRCへ。現在は大学病院で複数の治験を担当しながら、自身を育ててくれた先輩CRCのような存在を目指し、新任マネージャーとして奮闘する今について聞きました。
臨床検査技師を経て、念願のCRCへ。現在は大学病院で複数の治験を担当しながら、自身を育ててくれた先輩CRCのような存在を目指し、新任マネージャーとして奮闘する今について聞きました。

臨床検査技師からCRCへ。薬の力に心を動かされて
福岡オフィス CRC:Y.Oさん
大学卒業後、臨床検査技師として総合病院に勤務し、検体検査などを担当。学生時代に知ったCRCという職業への関心を持ち続け、約2年間の臨床経験を経て、2018年10月にCHI(旧SSI:サイトサポート・インスティテュート)へ入社。現在は大学病院で、肺がんをはじめとする呼吸器領域や外科領域など複数の治験を担当し、2026年4月よりマネージャーとして、メンバーの支援や働きやすい体制づくりにも取り組んでいる。
※本記事の所属・内容は取材当時のものです。

治験コーディネーター(CRC)とは:
CRC (Clinical Research Coordinator)は、治験を実施する医師などの指示のもと、治験の円滑な進行をサポートする役割を担っています。医師や医療機関スタッフ、患者さん、製薬企業など、各関係者との調整は、治験支援には欠かせない業務の一つです。
生物が好きだったY.Oさんは、教科書を読みながら細胞の働きに思いをめぐらす高校生でした。目には見えないほど小さな世界で、一つひとつの細胞が役割を持ち、体を守るために動いている。「今でいう『はたらく細胞』のような物語を、頭の中で思い描いていたんです」と、当時を楽しそうに振り返ります。体の仕組みとともに興味を持っていたのが、薬の働きです。普段元気であまり薬を飲むことがなかったからこそ、体調を崩したときに薬を飲み、症状が和らいでいくことに素直な驚きを感じていました。「薬って、本当にすごい。薬のおかげで助かる人がいるんだ」。その感動が、医療に関わる仕事を選ぶ原点になりました。
生物の知識を活かせる道として臨床検査技師を目指し、大学へ進学。そこで、卒業後の進路の一つとして初めて治験コーディネーター(CRC)という職業を知ります。新しい薬の開発に携わることができ、臨床検査技師の資格や経験も活かせる仕事。その存在は卒業後も頭の片隅に残り続けました。資格取得後は総合病院に就職し、検体検査や採血などを担当。日々の業務にやりがいを感じる一方、学んだことをより幅広く実務に結びつけながら成長したいという思いも強くなっていきました。まずは医療現場で2年間の経験を積み、その後はCRCへ。学生時代に見つけた目標に向かって、Y.Oさんは着実に準備を進めていきました。

2018年10月、Y.Oさんは念願のCRCとしてCHIへ入社。面談では、CRCへの熱意の強さゆえに、かえって「入社後にギャップを感じるのでは」と心配されたほどでした。実は転職を決める前から、CRC専門の転職サイトが配信するメールマガジンを約1年間にわたって購読。仕事内容の紹介や経験者による座談会などを通じて、CRCがどのように患者さんや医師、製薬企業と関わるのかを具体的に思い描いていました。長く希望していた仕事であり、十分に調べてから飛び込んだこともあって、入社後に大きなギャップを感じることはなかったといいます。
OJTでは糖尿病のクリニックを経験し、初めて主担当を任されたのは認知症に伴う症状を対象とした治験でした。先輩マネージャーにマンツーマンで支えてもらいながら業務を身につけ、その後は大学病院で血液内科、循環器、精神科、呼吸器、外科など幅広い診療科の治験を担当してきました。重篤な有害事象が発生すれば、予定どおりに一日を終えられないこともあります。依頼者、医師、院内の関係者で考え方が異なる場面では、その間に立って調整しなければなりません。大変さはありながらも、疾患や薬、検査値について学んだことが、患者さんへの対応や医師とのやり取りに直接つながることに、CRCならではの面白さを感じています。

担当した治験薬が承認され、患者さんのもとへ届くようになったときには、家族にも「自分が関わった仕事が、患者さんにつながったんだよ」と話せることも、大きな喜びです。また医師や臨床開発モニターから「あなたが担当でよかった」と声をかけられた経験も、今なお心に残っています。いつか患者さんを助けるかもしれない薬を、確かな仕事で未来へつないでいく。その実感が、Y.Oさんの学び続ける力になっています。
現在は大学病院に常駐し、肺がんをはじめとする呼吸器領域や、結腸・大腸がんの周術期治療を扱う外科領域など、複数の治験を担当しています。大規模な大学病院では、診察や検査、会計などで訪れる場所が分かれ、患者さんが次にどこへ行けばよいのか迷ってしまうことも少なくありません。複数の案内に異なる時間が書かれている場合には、治験で必要な予定を一つにまとめたメモを作成。「治験中は、私がお渡しするこのメモを確認してください」と伝えるなど、患者さんが混乱せず、安心して来院できるよう工夫しています。
医師とのコミュニケーションでも、相手に合わせることを大切にしています。簡潔に要点を伝えた方がよいのか、少し時間をかけて説明した方がよいのか。忙しさや表情も見ながら話し方を変え、必要な情報を適切なタイミングで届けます。治験について理解を深めるほど医師とのやり取りも円滑になり、信頼して仕事を任せてもらえる。それは、学ぶことが好きなY.Oさんにとって、CRCの大きな魅力です。

2026年4月からは、主担当を続けながらマネージャーにも挑戦しています。目標とするのは、相談すれば正確な答えがすぐに返ってくる、判断力のあるマネージャー。とはいえ、上から指示を出して引っ張るよりも、まずは相手の話を最後まで聞き、どこで困っているのかを一緒に考える伴走型が自分らしいと感じています。自身より経験の長いメンバーもいるなか、ほかのマネージャーとも相談し、それぞれの知見を持ち寄りながらチームを支えています。
人員や支援体制が大きく変化する現在、目指しているのは、忙しい環境でも一人ひとりが無理なく力を発揮し、長く働き続けられるチームです。「私は、この仕事がとても好きなんです。これから入ってくる人にも、そう思ってもらいたい」。仕事を好きだと思える人が周囲を支え、その姿を見た次の仲間も前向きに成長していく。そんな好循環が続く組織をつくることが、Y.Oさんの新たな目標です。

治験コーディネーター(CRC)について詳しく知りたい方へ
看護師や臨床検査技師など、医療資格を活かして活躍できるCRCの仕事内容やキャリアについてご紹介しています。
FAQ
Q.
A.
はい。臨床検査技師として身につけた医学・検査に関する知識や医療現場での経験は、CRCの業務でも活かすことができます。CRCは、治験に参加される患者さんへの対応をはじめ、医師や院内スタッフ、製薬企業などさまざまな関係者と連携しながら治験を支援します。検査値や疾患、治療について理解するうえでも、臨床検査技師として培った知識や経験が役立ちます。
Q.
A.
はい。CHIでは、臨床検査技師をはじめ、看護師や薬剤師など、医療現場での経験を活かしてCRCとして活躍している社員がいます。CRCとして必要な治験の知識や業務については、入社後の研修やOJTを通じて身につけていきます。
Q.
A.
CRCは、医療機関で治験が適切かつ円滑に実施されるよう支援する仕事です。治験に参加される患者さんへの説明補助や来院スケジュールの調整、診察・検査への対応、医師や院内スタッフとの連携、治験依頼者との各種調整など、幅広い業務を担います。
Q.
A.
治験に関する知識に加え、疾患や薬、検査などの医療知識、関係者と円滑に連携するためのコミュニケーション力や調整力が求められます。担当する治験によって必要な知識は異なるため、業務を通じて継続的に学ぶ姿勢も大切です。
Q.
A.
CRCとしてさまざまな疾患領域や治験の経験を積み、専門性を高めていくほか、メンバーの育成やチーム運営を担うマネジメント職などを目指すこともできます。CHIでは、一人ひとりの経験や志向を活かしながらキャリア形成に取り組んでいます。
シミックヘルスケア・インスティテュートでは、さまざまなバックグラウンドを持つ治験コーディネーター(CRC)が活躍しています。入社のきっかけや仕事のやりがい、キャリアの歩みなど、先輩社員の声をぜひご覧ください。
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