看護師からCRCへ。新しい治療の選択肢を届けるために

病棟で治療を続けたいと願う患者さんに接し、治験コーディネーター(CRC)への転職を決意。現在は大学病院で治験を支援しています。未知の世界へ飛び込んだ経緯を聞きました。

看護師からCRCへ。新しい治療の選択肢を届けるために

福岡オフィス CRC:S.Sさん

看護学校を卒業後、福岡県内の総合病院へ入職。血液内科や腫瘍内科、総合診療科などの病棟で、看護師として3年間の経験を積んだ後、2025年4月CHIへ転職。現在は福岡県内の大学病院を担当し、看護師の知識・経験を活かしながら、皮膚科、内分泌科、血液内科など複数領域の治験に携わっている。

※本記事の所属・内容は取材当時のものです。

治験コーディネーター(CRC)の女性の上半身のイメージイラスト。。

治験コーディネーター(CRC)とは:
CRC (Clinical Research Coordinator)は、治験を実施する医師などの指示のもと、治験の円滑な進行をサポートする役割を担っています。医師や医療機関スタッフ、患者さん、製薬企業など、各関係者との調整は、治験支援には欠かせない業務の一つです。

■ 治験コーディネーター(CRC)の仕事内容とは?採用パンフレットを見る

探していたのは、こんな仕事だったのかもしれない

看護学校卒業後、福岡の総合病院に入職したS.Sさんは、血液内科や腫瘍内科、総合診療科などで3年間看護師として勤務しました。病棟には、治療の段階や方針など、さまざまな状態の患者さんがいらっしゃいます。がんの治療を続ける方もいれば、緩和医療を選ぶ方、残念ながら治療の選択肢が少なくなっていく患者さんもいました。治療を続けたいと願い、前向きに病気と向き合う患者さんを目にしながら、「何かもっと力になれないのだろうか」という想いが募っていきました。看護師3年目を迎え、自分自身の将来を考えるようになった頃、「治療を望む患者さんの選択肢を増やすために、自分にも何かできることがあるのでは」と考えるようになります。

看護師として身につけた知識や経験を活かせる仕事を探す中で、初めて知ったのがCRCという仕事。勤務していた総合病院ではCRCと接する機会はなく、治験についてもほとんど知らなかったS.Sさん。CRCの仕事内容を知るうちに、「こんなにも自分がやりたかったことに近い仕事があるんだ」と心を惹かれていきました。

知らないことを一つずつ。学びも楽しむCRCへの一歩

CRCへの転職活動を進めるなかで、CHIに興味を持ったのは、ホームページから明るい雰囲気が伝わってきたからです。実際に、福岡オフィスで面接をした際にもその印象は変わらず、面接官と話すうちに、ここで働く自分の姿を自然とイメージできました。

一方、初めての業界だからこそ、会社選びで重視していたのが教育体制です。入社後は、GCP(※)など治験に関連する法律やルール、知識に加え、社外の方との連絡や調整の仕方についても学びました。メール一つをとっても、宛先の設定や件名の付け方など、相手への細かな気配りやビジネス上のルールがあります。看護師時代には馴染みのなかった、企業で働くための基本を一つひとつ身につけていきました。これまでとはまったく異なる学びの連続でしたが、「覚えることは多かったけれど、苦にはなりませんでした」とS.Sさん。初めて触れる知識や仕事の進め方を吸収する毎日も、新鮮に感じていたようです。経験したことがないからこそ、まずはやってみる。そんなS.Sさんらしい軽やかな一歩が、CRCとしての今につながっています。

※GCP(Good Clinical Practice):医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令。治験に参加する方の人権や安全を守り、治験を適正に実施するためのルール。

患者さんへの想いはそのままに。CRCとしてできること

現在は福岡県内の大学病院で、皮膚科や内分泌科、血液内科などの治験を担当しています。入社から約1年ながら、メイン担当を務める試験は5本。「今は毎日が楽しいです。でも、新しい試験を担当するときは、毎回ドキドキします」とS.Sさん。これから何をしなければならないのかを頭の中で巡らせるその様子からは、緊張と同時に、新しい試験に向き合うワクワクも伝わってきます。

CRCとして働くなかで、看護師時代の経験が活きていると感じる場面も多くあります。病態への理解はもちろん、院内でどのような検査が行われ、各部門がどのように連携しているのかを知っていることは、治験を進めるうえでも大きな強みです。一方で、同じ病院で働いていても、医師との関わり方は変わりました。看護師時代は必要なときにすぐ声をかけられましたが、CRCになった今は、医師の状況を見ながらタイミングを考え、伝える内容にも優先順位をつける必要があります。うまく連携できず、先輩と一緒に医師へ謝りに行ったことも。「あのときは先輩が一緒に来てくれて、本当にありがたかったです」。失敗もしながら、周囲に支えられ、一つずつ経験を積んでいます。

患者さんとの関わり方にも変化がありました。看護師時代は毎日のように顔を合わせていたからこそ、小さな変化に気づくことができました。一方、CRCとして患者さんと接する機会は限られています。少し間を置いて会うからこそ前回との違いが見えることもあり、限られた時間の中で、患者さんの話をより丁寧に聞くようになったといいます。体調について詳しく尋ね、何気ない言葉やちょっとした表現にも耳を傾けながら、その背景にある変化や不安を捉えていく。「治験」という言葉に身構える方もいるなかで、そうした対話を重ねながら少しずつ関係を築いていくことも、CRCとして大切にしています。

特に心に残っているのが、希少疾患の患者さんとのやり取りです。症状について迷いや不安を打ち明けられた際、すぐに答えを出すことはできなくても、必要であれば医師に相談できることを伝え、じっくり話を聞きました。そのとき患者さんから返ってきたのが、「分かろうとしてくれてありがとう」という言葉でした。

患者さんと過ごす時間は、看護師の頃より短くなりましたが、その限られた時間の中で気持ちに寄り添い、安心して治験への参加を続けられるよう支えていきたい。看護師時代に抱いた「治療を望む患者さんの力になりたい」という想いは、CRCとなった今、少しずつ形になっています。

治験コーディネーター(CRC)の女性の上半身のイメージイラスト。。

治験コーディネーター(CRC)について詳しく知りたい方へ
看護師や臨床検査技師など、医療資格を活かして活躍できるCRCの仕事内容やキャリアについてご紹介しています。

■ 治験コーディネーター(CRC)の仕事内容とは?採用パンフレットを見る

FAQ

よくあるご質問

Q.

看護師の経験は治験コーディネーター(CRC)の仕事に活かせますか?

A.

はい。看護師として身につけた医療知識や患者さんとのコミュニケーション経験は、CRCの業務でも活かすことができます。疾患や治療、検査への理解に加え、患者さんの体調や不安に配慮しながらコミュニケーションを取る力は、治験を円滑に進めるうえで役立ちます。

Q.

CRCは未経験でも転職できますか?

A.

はい。CHIでは、CRC未経験から入社し、活躍している社員もいます。入社後は、治験の基礎知識やGCP(医薬品の臨床試験の実施の基準)など、CRCとして必要な知識や業務について研修を通じて学びます。

Q.

CRCになるために資格は必要ですか?

A.

CRCとして働くために必須となる資格はありません。ただし、医療機関や患者さん、製薬企業などさまざまな関係者と連携する仕事のため、医療に関する知識やコミュニケーション力、調整力などが求められます。看護師などの医療資格や医療現場での経験を活かしてCRCへ転職する方もいます。

Q.

看護師とCRCでは、患者さんとの関わり方にどのような違いがありますか?

A.

看護師が診療や療養生活を幅広く支援するのに対し、CRCは治験に参加する患者さんを治験実施の観点からサポートします。治験内容の説明補助や来院スケジュールの調整、体調変化の確認などを行い、患者さんが安心して治験に参加できるよう支援します。

Q.

CRCにはどのような人が向いていますか?

A.

患者さんに寄り添ってコミュニケーションを取れる方に加え、多くの関係者と協力しながら物事を進められる方が適しています。また、治験では定められた手順やルールに沿って業務を進める必要があるため、正確性や計画性、新しい知識を継続して学ぶ姿勢も大切です。

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