看護師からCRCへ。自分らしいリーダーのかたちを見つけるまで
長年の看護師の経験を活かし、治験コーディネーター(CRC)へ転身。看護師とは異なる立場で、患者さんと向き合う日々。現在は、後輩CRCの教育・育成にも取り組んでいます。
長年の看護師の経験を活かし、治験コーディネーター(CRC)へ転身。看護師とは異なる立場で、患者さんと向き合う日々。現在は、後輩CRCの教育・育成にも取り組んでいます。
看護師からCRCへ。自分らしいリーダーのかたちを見つけるまで
熊本オフィス CRC: A.Tさん
国立病院などの医療機関で、看護師として勤務。血液内科や救命病棟などで11年間経験を積んだ後、2018年4月に治験コーディネーター(CRC)へ転身。耳鼻科や皮膚科、血液内科など、さまざまな領域の治験を経験し、現在はアシスタントマネージャー(AM)として、メンバーの教育・育成にも携わっている。
※本記事の所属・内容は取材当時のものです。

治験コーディネーター(CRC)とは:
CRC (Clinical Research Coordinator)は、治験を実施する医師などの指示のもと、治験の円滑な進行をサポートする役割を担っています。医師や医療機関スタッフ、患者さん、製薬企業など、各関係者との調整は、治験支援には欠かせない業務の一つです。
看護学校を卒業後、国立病院へ入職。最初に所属した血液内科で、血液がんの患者さんと向き合うなか、将来的には「がん認定看護師」の資格取得や終末期医療にも携わりたいと考えていました。しかし4年目に救命病棟へ異動。救命の現場は重要な役割を担う一方で、患者さんとコミュニケーションを取れる機会は限られています。もっと患者さんやご家族と関わりたいと考えていた頃、CRCという職種に出会いました。病棟勤務時代、治験参加中の患者さんと接した経験がありましたが、治験の業務について詳しく知っていたわけではありません。CRC業務には、看護師として培った知識や経験を活かせることを知り、また一企業の社員として医療に関わることに魅力を感じて、転職を決意。2018年4月CHIへ入社しました。
入社後大きなギャップはありませんでしたが、想像以上に書類業務が多いことには驚きました。研修では、実際に治験薬保管庫を見学する機会があり、検体や治験薬の管理が非常に厳密に行われている様子など、講義だけではイメージしにくい内容も現場で理解を深めることができました。メールでのビジネス文章の書き方や名刺交換といった、病院勤務では学ぶ機会の少なかったビジネスマナーを身につけられたことも良い経験です。
看護師とは異なる立場で勤務する医療機関。治療を目的とする医療とは異なり、治験にはプラセボや休薬期間が設けられることもあるため、患者さんに負担をお願いしなければならない場面もあります。一方で新しい治療法によって症状が改善し、喜ぶ患者さんの姿に触れられたときは、この仕事の意義を改めて実感する瞬間です。また複数の医療機関やさまざまな領域に携われることもCRCの魅力の一つ。施設ごとに雰囲気も異なり、求められる立ち回りも変わるため、決して簡単な仕事ではありませんが、その分、新しい経験を積めることに面白さを感じています。
初めて主担当として立ち上げを担当したのは、皮膚科のグローバル試験(※)でした。同じ治験依頼者の試験であっても、プロジェクトチームが異なれば運用方法も大きく変わります。この試験は英語の資料ばかりで、日本語の見本資料もほとんどない状態から準備を始めなければならず、経験の浅い当時は、大きな不安を感じていました。しかしCHIには、チームや拠点を超えて協力し合う文化があります。過去に同様の経験を持つCRCに相談したところ、その先輩社員は、忙しい中でも丁寧に教えてくれました。「待たせてごめんね」という言葉に、どれほど救われたことか。心を支えてくれるのは、どんなに忙しくても真摯に向き合ってくれる仲間の存在です。
さまざまな治験を経験してきたなかで、特に印象に残っているのは、重症のアトピー性皮膚炎の患者さんです。初めて来院されたときは、肌の状態が非常に悪く、日常生活にも影響が出ていましたが、治験が進むにつれて症状が改善していきました。そして、「痒くないんです」と喜んだ患者さんの言葉が、今でも忘れられません。当たり前だと思っていた日常を取り戻せることが、患者さんにとって大きな意味を持つということを改めて実感しました。
※グローバル試験(国際共同治験):
新しい薬や治療法を世界中の患者さんへ届けるため、複数の国や地域で同時に実施される治験。
A.Tさんは、看護師時代の経験から、医療機関の状況や部門間の関係性を理解しているため、「この病院なら治験が実施できそう」「ここが課題になりそう」といった視点を持ちながら、医療機関との調整や提案を行うことができます。この点では、看護師として培った知識や経験が今の業務に大いに役立っていると感じています。
一方で、CRCとして経験を重ねる中で、新たな難しさを感じるようにもなりました。2025年1月からアシスタントマネージャー(AM)として新人育成にも携わり、メンバーの成長を支える役割を担っています。新人を指導する中で感じるのは、自分にとって“当たり前”になっていることが、必ずしも誰かの“当たり前”ではないということ。医療現場で長く働いてきたため、何気なく使っている医療用語が伝わらず、新人の質問でハッとすることもあり、伝えること・教えることの難しさを日々感じています。
そんな中、リーダーを対象とした社内研修がありました。そこで学んだのは、「リーダーには、さまざまなスタイルがある」ということです。決して、前に立って周囲を引っ張るタイプではないというA.Tさん。自分はリーダーに向いていないのではないかと思ったこともありましたが、リーダーシップには一つの正解があるわけではなく、“それぞれの強みを活かした形があって良い”のだということを知り、大きな気づきになりました。またこの研修では、拠点を超えて、治験の進め方や教育方法について意見交換できたことも大きな刺激になりました。
現在、九州エリアではAM同士が連携しながら教育体制づくりにも取り組んでいます。AMには、マネージャーと現場、そしてメンバーをつなぐ役割があります。オフィス全体の方向性や状況を把握しながら、現場の声にも耳を傾ける。その橋渡し役として、これからも成長していきたいと思っています。
CRCへの転職を考えていた頃、線維筋痛症による痛みで歩くことも難しかった知人がいました。久しぶりに会ったとき、その知人が子どもの手を引いて歩いていたのです。話を聞くと、まだ国内では承認されていない鎮痛剤を使用できる機会があり、症状が大きく改善したとのこと。それを見て、「くすりは、人の人生を変えることがあるんだ」と実感しました。
治験は、新しい治療の可能性を未来につなぐ仕事です。その一端を担えることに、CRCとしての誇りを感じています。

治験コーディネーター(CRC)について詳しく知りたい方へ
看護師や臨床検査技師など、医療資格を活かして活躍できるCRCの仕事内容やキャリアについてご紹介しています。
FAQ
Q.
A.
はい。患者さんとのコミュニケーション力や医療知識、医療機関との連携経験など、看護師として培った経験はCRC業務で活かすことができます。実際に、看護師からCRCへキャリアチェンジする社員も多く活躍しています。
Q.
A.
CRCは、治験に参加する患者さんへの説明補助やスケジュール管理、医療機関や製薬企業との調整、各種書類作成などを担当します。病院勤務とは異なる業務もありますが、医療知識や患者さん対応の経験を活かせる仕事です。
Q.
A.
治験を通じて新しい治療法や医薬品の開発を支援し、医療の発展に貢献できることです。また、治験に参加された患者さんのサポートを通じて、その方の生活や治療の選択肢に関わることができる点も大きなやりがいです。
Q.
A.
入社時研修やOJTに加え、継続的な教育プログラムを実施しています。業務知識だけでなく、ビジネスマナーやコミュニケーションスキルの習得を支援する体制も整えています。
Q.
A.
CRCとして経験を積んだ後は、後輩育成やチーム運営を担うアシスタントマネージャーやマネージャーなどのポジションを目指すことができます。専門性を高めながら、教育やマネジメントに挑戦できる環境があります。
Q.
A.
医療系資格や医療現場での経験を活かしながら、多くの社員がCRCとして活躍しています。入社後の研修や先輩社員によるサポート体制があるため、治験業務が未経験でも安心して業務をスタートできます。
シミックヘルスケア・インスティテュートでは、さまざまなバックグラウンドを持つ治験コーディネーター(CRC)が活躍しています。入社のきっかけや仕事のやりがい、キャリアの歩みなど、先輩社員の声をぜひご覧ください。
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