CRCからIRB事務局へ ― 立場を変えて支える治験
医療の現場に寄り添いながら専門性を深め、役割を変えつつキャリアを構築。CRCとして臨床の最前線から治験審査委員会(IRB)事務局業務まで、幅広く経験を重ねるなかで見えてきた、仕事への向き合い方と成長について語ります。
医療の現場に寄り添いながら専門性を深め、役割を変えつつキャリアを構築。CRCとして臨床の最前線から治験審査委員会(IRB)事務局業務まで、幅広く経験を重ねるなかで見えてきた、仕事への向き合い方と成長について語ります。

CRCからIRB事務局へ ― 立場を変えて支える治験
SSIカンパニーセントラル管理部:Y.Yさん
幼い頃の検査や入院の経験から医療の世界を志し、臨床検査技師の資格を取得。在学中にCRCという職種を知り、患者さんに寄り添いながら治験を支える仕事に魅力を感じてSMOへ。CRCとして経験を積んだのち、産休・育休を経てIRB事務局業務へと役割を広げ、現在は多くの書類作成業務を担いながら、治験を陰から支えている。
※本記事の所属・内容は取材当時のものです。

SSIカンパニーセントラル管理部とは:
複数の医療機関で実施する治験の審査を中央で行う治験審査委員会(C-IRB)の事務局支援や、医療機関での電磁化推進、その他業務効率化の観点や将来を見据えた取り組みなどを行うことでCHIのSMO事業を支える部門
看護師の親戚に「医療業界は大変よ」と聞かされて育ったY.Yさん。それでも入院や通院をする機会が多かった幼少時代、さまざまな検査を受けるたびにサポートしてくれた医療関係者に憧れていていた記憶があります。高校生の頃には、医療系の職業に就くことが当たり前の選択肢となり、臨床検査技師の資格を取得しました。
ところが、在学中に転機が訪れます。学校に訪れた企業の方が、治験コーディネーター(CRC)という職業があることを教えてくれたのです。患者さんと直接関わりながら治験を支える役割があることを初めて知り、「こんな仕事もあるんだ」と強く興味を引かれました。臨床検査技師として機器を扱うより、患者さんと向き合う仕事がしたいという思いもあり、CRCとしてSMOに入社することを決めました。
入社後は、先輩方に支えていただきながら実務を一つひとつ覚え、主にクリニックで尿酸やリウマチの試験を中心に担当しました。全症例を扱う試験では対応も多く、非常に忙しかったことを覚えています。毎日が必死でしたが、その分大きく成長できた時期でした。


治験コーディネーター(CRC)とは:
CRC (Clinical Research Coordinator)は、治験を実施する医師などの指示のもと、治験の円滑な進行をサポートする役割を担っています。医師や医療機関スタッフ、患者さん、製薬企業など、各関係者との調整は、治験支援には欠かせない業務の一つです。
CRCとして働くなかで、特に印象に残っているのは、入院を必要とする治験で総合病院の新規立ち上げを担当したときのこと。通常の外来とは違い、医師や看護師、事務担当だけでなく、入院病棟のスタッフなど、たくさんの人と連携しなければなりません。まだ経験が浅かったため、自分自身も分からないことが多いなか、治験経験のない医療機関へ分かりやすく説明する必要がありましたが、うまく伝えることができず悩んだこともありました。先生からは、治験の進行に対して、医療に対する強い責任感ゆえの厳しいお言葉をいただいたこともあります。つらい思いもしましたが、それでも患者さんのことを第一に考えて行動する医療スタッフの思いを治験の正しい手続きへつなげるため、先輩社員のアドバイスを受けながら何度も話し合いを重ね、治験を進めることができました。
新卒で入社した旧メディカルトライアルズが合併し、現在のCHIとなった際は、会社の規模や運営方法など体制の変化に驚いたものです。その後、出産・育児を経て、再びCRCとして働くことになりました。消化器内科と小児科の試験を担当し、仕事と子育てとの両立に悩むことはありましたが、周囲の温かいサポートに助けられ、続けてこられたのだと思っています。
2016年、治験審査委員会(IRB)の事務局を支援する部門に異動してからは、書類を扱う業務が中心になりました。現在はIRB事務局の窓口として、製薬企業/CRO、医療機関との連絡調整、審査資料の取りまとめなども担当しています。IRBは開催スケジュールが決まっているため、資料を揃えるタイミングを逆算しながら、多くの関係者とやり取りを進めなければなりません。医療機関や製薬企業によって、審査依頼の内容も異なり、記入漏れがないかすべての項目を確認する必要があります。申請書類は非常に多く、一つ抜けるだけで全体の流れが止まってしまうこともあるため、必要な資料・記載項目がそろっているかの確認には細かな神経を使います。効率的に業務を進められるよう、依頼方法や連絡の仕方にも心配りを行い、優先順位を意識して多くの業務をこなしています。緊張感のある日々が続く一方で、IRBが無事に開催されると大きな安堵を感じ、「次も頑張ろう」と気持ちを切り替えられる。そのメリハリも、この仕事の魅力のひとつです。

チームには子育て中のメンバーも多く、お互いに協力し合う雰囲気があります。電磁化が進み、紙での確認が大幅に減ったことに加え、テレワーク制度やフレックスタイム制もあり、働きやすさは年々向上しています。子どもが小さい頃は、急な呼び出しや体調不良で、休暇取得や早退が発生することもありますが、そのような時も「帰っていいよ、後はやっておくから」とフォローしてもらえる体制が整っています。現在は、自身の子育ても落ち着いてきたため、今度は若い世代を支える役割にも力を注いでいきたいと思っています。
今後はIRBの新規立ち上げにも携わります。どのようにすればIRBをより円滑に進められるかを考えながら、自身の経験を生かして製薬企業や医療機関の方々との関わりを深めていきたい。CRCとして患者さんと接する機会がなくなったことに少し寂しさもありますが、書類や調整を通して治験を支えている現在の仕事は、自分に合っていると感じています。これまでIRB事務局の業務を経験した後、SMAへキャリアチェンジした社員もいました。この仕事が、社員にとって一つのキャリアの選択肢として認知されるよう、自分自身の実績を積み、専門性を高めながら、仕事そのものの価値を高めていきたいと考えています。
Pamphlet



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FAQ
Q.
A.
はい、可能です。現場経験を活かしながら、IRB事務局、品質管理、電磁化推進など幅広いキャリアに挑戦できます。個々の適性や希望を踏まえて、段階的に業務を広げられる環境があります。
Q.
A.
治験関連文書の電子管理システム導入支援や、医療機関・IRBとの調整業務など、「治験運営の効率化と標準化」を目的とした取り組みが中心です。現場の負担軽減に直結する、やりがいの大きい仕事です。
Q.
A.
正確性、コミュニケーション力、倫理・法令への理解が重要です。未経験でも、研修やOJTを通して知識を深めながら活躍できます。
詳しくは、研修制度ページをご覧ください。
Q.
A.
電子化は“紙をデータにすること”。電磁化は“データを適切に保存・管理できる仕組みまで整えること”。
治験では信頼性の確保が重要なため、電磁化が特に求められています。
Q.
A.
複数施設が参加する治験を、ひとつの倫理審査委員会でまとめて審査できる仕組みです。審査のスピードが上がり、CRC・SMA・医療機関の負担軽減にもつながります。
Q.
A.
「仕組みで現場の負担を軽くしたい」という想いを持つ人が活躍しています。公平性や丁寧さを大切にし、自立的に動ける方が成長しやすい環境です。
Q.
A.
はい、可能です。例えば、CRC・SMAとして入社後、現場での経験を軸に、IRB、QC、電磁化推進、文書管理を担当するなど、多様なキャリアパスがあります。職種横断で経験を積む社員も多く、長期的に専門性を高められます。
Q.
A.
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